「教員の仕事と育児の両立ができなくて辛い。」
「仕事で人の子供は丁寧に見ているのに、自分の子は保育園に預けっぱなしで何もしてあげられない…。」
教員は「女性が働きやすい職場」と言われることもありますが、教員として働きながら育児をしていくことの大変さに直面しているお母さんがたくさんいるのが現状です。
特に仕事でも家庭でも子供に接している分余計に「我が子に手をかけてあげられていない、何もしてあげられない」と悩む方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、教員と育児の両立に悩む先生へ向けて、お子さんのいる教員2人のインタビューをもとに具体的な解決方法をご紹介します。
なつみ先生(33歳)
2歳と5歳のお子さんがいる中学校教員。教員歴10年目。教員と育児の両立にかなり悩んでいる。
あつこ先生(38歳)
10歳と7歳のお子さんがいる元小学校教員。教員を10年経験後、現在は事務職へ転職。過去にはなつみ先生と同じように両立に悩んでいた経験がある。
教員と子育てを両立するための一日のスケジュールは?
まずはなつみ先生の一日のスケジュールを伺いました。
5:30 起床
6:00 子供達を起こして準備、朝食
7:20 家を出て子供達は保育園へ
8:00 学校へ到着
19:00すぎ 学校を出て保育園お迎えへ
19:30 子供と夕食
21:30 子供就寝、持ち帰り仕事をする
0:00 就寝
両親も近くには住んでいないので、平日に子供の面倒はほぼワンオペ状態です…。
あつこ先生も教員時代は同じようなスケジュールだったそうです。
このような日ばかりではなく、子供が熱を出すなどの体調不良があれば遅刻や早退することもあるとのこと。
睡眠時間も5時間程度で、掃除や洗濯などの家事も最低限こなすのがやっとの状態ではないでしょうか。
教員と子育ての両立、どんなことが辛いの?
とにかく時間が足りない
部活も持っているので土日も指導で学校に行くことが多く、自分一人の時間はまったくありません。
子供への食事も出来合いのものや冷凍食品など適当になってしまって、本当に申し訳ないと思ってしまいます。
いつもうちの子が一番最後になっていて、こんな時間まで保育園に預けっぱなしにしている自分を責めることもありましたね。
お二人とも一番の悩みは「時間が足りない!」ということでした。
先ほどの一日のスケジュールを見てもわかりますね。
自分の子供になかなか手をかけてあげられない
でも学校で仕事をしてから、家に帰ってきてももう一仕事ある感じでもうヘトヘトです…。
後からすごく後悔するんですよね。本当は自分の子ほど一番そばにいたいし、褒めてあげたいんだけどね…。
他の先生へ負担をかけていることが申し訳ない
子供の体調不良とかがあるとどうしても急きょ授業交換をお願いしたり、HRに代わりに出てもらったりしないといけなくなるのが苦しいですね。
みんな余裕がなくなることが多いから。
教員と子育てを両立するためにできることは?
夫や家族、民間サービスにちゃんと頼る
お話を聞いていて感じたのは、やはり仕事と育児の両立はお母さん一人だけではかなり厳しいということでした。
夫や両親などの家族に頼れるのであれば、上手にお願いして協力してもらうのが一番大切ですね。
ただなつみ先生のように、両親が近くにいなかったり夫も仕事で頼れないという場合もあるでしょう。
保育園の延長保育を利用したり、家事代行サービスなどを利用するだけでも家庭での負担が減るので、一度利用してみるのもいいかもしれません。
仕事も子育ても完璧を求めない
教員は真面目な性格の方が多く、仕事も子育てもしっかりやりたいと考える方が多いようです。
特に教育の知識がある分「我が子にもちゃんと教育しなきゃ」と厳しくしつけようとしてしまう先生も。
しかし学校の生徒も自分の子も100%こちらの思った通りに成長することはありませんよね。
頑張り過ぎず、仕事も育児もそれぞれ50%くらいの出来を目指すくらいの気持ちでいる方が、お母さんの負担は楽になるのではないでしょうか。
担任や校務分掌などを外してもらう
教員の仕事で大きな負担となるのが担任業務・部活動の顧問・校務分掌の3つです。可能であれば、管理職と相談してどれか1つでも外してもらうことを検討してもいいでしょう。
また学校や市町村によっては時短勤務ができる場合もありますので、合わせて調整をお願いするのもおすすめです。
自分を追い詰めない
リアルな先生の話を聞いて一番感じたのは「お母さんは自分を追い詰めてしまいがちなんだな」ということです。
一人で頑張らないといけない状況が多いことや、子供や周囲に迷惑をかけているという気持ちがあるからこそ考えてしまうのではないかと思います。
仕事もしてワンオペで育児もして、もう十分頑張っているのですからそんなに自分を追い詰めなくて大丈夫。
頑張っている自分をどうか褒めてあげてくださいね。
「先生の代わりはいる。でも母親の代わりはいない」
本当に教員と育児の両立で「もう限界!」というところまで追い込まれた時に言われたのが「先生の代わりはいくらでもいる。でも母親の代わりになれる人はいないよ。」という一言。
この言葉がきっかけで、子育てができる仕事に転職しようと決めたんです。
あつこ先生は、今は総務や経理を担当する事務として働いているそうです。
転職したての頃は新しい職場で覚えることも多く大変だったそうですが、時短勤務で3時半には帰り持ち帰りの仕事もなかったため、子供と過ごす時間がぐっと増えたそうです。
今では子供は小学生になりましたが、張り切ってPTA役員までやってますよ!
あつこ先生が救われた「先生の代わりはいる。でも母親の代わりはいない」という言葉は、教員と育児に悩むお母さんをハッとさせてくれる一言ですね。
教員と育児の両立をすべて一人でやることは不可能に近いですよね。
踏ん張って教員を続けるだけでなく、思い切って転職して子育ての時間を確保することもできることが今回のインタビューでわかりました。
でも今回転職という選択肢があることも知って、新しい道が見えてた気がしました。